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        金剛蔵王金色夜叉 <学習する投機師、しない投資家>

                   1998年11月01日号 

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                  「狼は生きろ、豚は死ね」

ある人が言った。
 
「これからは再びドル安に進むかもしれない。ヘッジファンド達は、
前回同様にいったん仕掛けたらピューと値が飛ぶように、為替市場が
閑散として、商いが薄い状態を、待っているのかもしれないぞ。安易に
国際商品に手を出すんじゃない!。まだはもうなり、もうはまだなり
・・。」

別の人が言った。

「もう円高は、終わったのではないか。いくらなんでもこれだけ円高
になったんだから、もう勘弁してくれーー。輸出企業にも大打撃を与えるし、
これ以上不況になったらどうするんだ。ただでさえ、貴金属や輸入穀物などは、
目先の底値と思われるところまで下落しているのだ。これ以上円高で下落
すれば、もう底が見えなくなる・・・。」

横から見慣れない別の人が口を出した。

「いったい、どこからどこまでが円高で、どこからどこまでが円安と呼ぶのだ。
たしか明治時代だったと思うが、1ドル=1円の時代もあったらしい。
太平洋戦争開始時でも1ドル=3〜6円ぐらいだったと思う。(ある資料より)
1ドル=360円は敗戦後、戦勝国のアメリカにある意味で
屈辱的な為替レート(ただしこの頃は固定相場制)をつけられただけ。

なぜ、360円にしたのか。ある本によると、「円」は360度だから、
それにちなんで、360円としたという説もあるようだが・・・。
とにかく歴史は繰り返す。政治混迷の時代には「維新」が必要だ。
今こそ明治時代へタイムスリップ!・・・。」


また別の人が言った。

「フッフッフ、そんなに為替が恐いのなら為替に変動されにくい小豆や
ゴムがいいと思うよ。ただし、ゴム指数は為替にとんでもなく影響される
ので要注意!。 しかし、小豆はホクレン、ゴムはINRO によって左右されるし、
やはり少しは為替に影響されるので、注意するにこしたことはない。」

それから何人かの意見や議論、討論が続いたが結論が出てこない。

それを聞いていた議長である自分はこういった。

「ええい! ゴム指数 期先 99年04月限  1枚 買うぞ、
買ってやる!  83.5より下はみんな買いじゃ〜!!。」

結論が出たところで、議論していた人たちの姿が、合体していった。
108人が54人になり、54人が27人になり、それが続いて最後には
たった1人、私だけになった。

そうなのだ。その108人というのは、それぞれ違う人格を持った、
私の分身なのだ。

相場を張っていると自分が多重人格者だということがよくわかってくる。


昔、ソクラテスは「汝自身を知れ」と説いた。日本にも孫子から引用した
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉があるが、
自分自身を理解することにも、苦しむ昨今だ。

しかし建玉の際は、本当に注意が必要だ。

よし、(ある商品を)買うと決めた。 しかし、ちょっと待って、本当に「買い」
でいいのか。「売り」ではないと、どういう理由で言いきれるのだ。
いつもいつも建玉の際、これは試し玉だから、という単純な言い訳だけで
結構、雑に、大した理由もなく玉を建てて、指し値がうまくいかず途転の
タイミングを逃し、結局最後は損切りで終わっているのではないのか。


例えば、「買い玉」5枚を最終的に損切りし15万円損したとする。
あなたは、おそらく、こうつぶやくかもしれない。
「あ〜、買い玉じゃなくて、売り玉を建てていたら、15万円のプラス
だったのに・・・。トホホ」

そうなのだ。あなたは、売り玉ではなく買い玉を建てたためにプラス15万円
ならぬ、マイナス15万円、都合30万円の差になってしまったのある。

そう、15万円の差じゃなくて、実際は2倍の30万円の差、あなたは
この差を見せ付けられても、まだ「売り玉」ではなく「買い玉」を建てた
理由を今でも正当だったといえるのか? このように建玉の際の判断は
まことにシビアなものなのだ。

もちろん、「売り」か「買い」の他に「休む(様子見)」という手も
ある。 しかし、保ち合いの状態なら、いざ知らず、値動きのある時は
それだけでチャンスがあると。

損するチャンスがあれば、儲けるチャンスも・・・。 しかし、「損した」も
「儲けた」もあくまで結果論にすぎない。手仕舞って、はじめて損益が
確定するのだから・・・。


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日経ビジネス 9月22日号では

その日から2週間後に起こる急激な円高ドル安を予測していた!?


円安に終止符? 市場で頭をもたげる米ドル安懸念 
( 98/09/22 、日経ビジネス) 

http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/biz/40922


不比等:
この文章にはヘッジファンドなんて言葉は一言もない。

よく読んでみるとロシアで巨額の損失を出したヘッジファンドのドルの
手仕舞い売りなんていうのは結局のところ10月6日以降の円高ドル安の
流れを加速させただけで、8月11日の1ドル=147.64円の
天井をつけたときからドル安への方向転換はすでに始まっていたようだ。

まあ、それを決定づけたのは8月17日に明らかになった、
ロシアの金融危機ではあるが・・・。

つまり、今回の円高ドル安はある意味では必然的であったと言えば、
言い過ぎであろうか。今となっては、すべて結果論にすぎないが・・・。


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ついに、読者数が757人に達しましたので、
ここであらためて、ご挨拶を・・・

757人という読者数が、はたして多いのか少ないのかよくわかりませんが、
別に勧誘が目的ではありませんので別に気にはしてませんでした。

しかし、ここ2ヶ月間、発行がストップしていたにもかかわらず、
その間に100人ぐらい増えたのにはビックリ!

ちなみに、Pan Rolling 社の メーリング・リスト参加者数や、私や他の
商品先物関係のホームページのアクセス数を見ていると、ある程度
継続的に商品先物取引に関わっていて(特に市場参加者として)、
インターネットを積極的に使っている人というのは、
おそらく全国に2、000人もいないのではないかと思います。

株式の場合はその100倍ぐらいは、軽くいそうですが・・・。

たいていの人は、ホームページ上に商品先物取引関連のホームページを
探し出す前に(というよりは、探し出そうという気が起こる前に)、
大損して(させられて)、続ける意欲がなくなってしまうのでしょうか・・・。


そういえば、私が「商品先物諸行無常」のホームページを作り始めたのも
1997年の2月の銀の上昇相場で大きく逆張りして売りを仕掛けたが、
銀の値段がさらに上昇して持ちこたえられなくなり、自爆したのがきっかけ
でしたっけ。(このメール・マガジンで以前お話しましたよね・・・・。 (>_<))

きっかけ・・・、そう、きっかけが必要なんです、我々投資家には。



私は、もともと投資家は、投資活動を継続してゆくにつれて、だんだん
怠け者(なまけもの)になっていきやすいと思っています。

つまり、はっきりいえば、何もしなくても思い付きや勘だけで相場は張れる
ということなんです。資金さえ用意できれば。それで、儲かるかどうかは、
また別問題ですし、また怠け者でも儲けることができれば、それに超した
ことはないのです・・・。

最初は、テクニカル分析だ、ファンダメンタル分析だ、昔から伝わる
建玉法だといっていて研究しても、苦労が多い割には、なかなか思うように
利益があげられない。

それで、ある時、ハタっと気がつく。

そうだ、所詮、相場のような投資活動は、「いつ」、「どの上場商品を」、
[売り」か「買い」か2つに1つ、「休む」も含めても3つに1つに集約されて
しまうのだ。

すると、ここで「値頃感」というのがニョキニョキと、頭の中で台頭
してきます。「安そうだから買う」「高そうだから売る」という、あれです。

ある意味で、これは「買うときはできるだけ安く、売るときはできるだけ高く」
という理に適った方法ではありますので、「値頃感」が悪いといっているわけ
ではありません。建玉法と資産管理さえうまくやれば
これはへたな分析法よりも有効なのではと思っている私ですが・・・。

これで、思惑通りそこそこ儲けてしまうと、次第に「慢心」が生じてきます。
 「なんだ、今まで散々苦労して、本を読み、罫線を手書きし、
分析をしてきたのに、その割には儲けが少なかった・・・。
こんなに簡単に儲けられるのか、おれには相場の才能があるのかも・・・。」

こうして次には、建玉の際にも
「値頃感」+「希望的観測(先高観、先安観)」+
「(とらねタヌキの皮算用的)期待 (また、絶対に儲けてやるぞ、儲けたら
今度何を買おうかな、というような)」に頼ってしまう日々がやってきます。

何回かうまく行くかもしれませんが、ある時、突然、相場が思惑通りにいかず、
損失が膨らんでいきます。

以前ならここでさっさと損切りをしたり、途転したりしていたのが、また
「値頃感」が頭をもたげ、損切りするのを邪魔する。

「もう、ここら辺で反転するだろう、もう少し我慢すれば・・・」

このまま損切ると中途半端な損失が確定してしまうので、両建てをして
その場をしのいだり、難平をしてたりして、反転するのを「期待」する。

この後、為替や経済状況が追い討ちをかけ、さらに損失が膨らむ・・・。

「もうだめだ、残念だが手仕舞いだ・・・・。」

そして皮肉にも、あなたの手仕舞った玉が底(あるいは天井)を形成するのに貢献し、
次の日にはストップ高(安)となって、反転していった・・・。

そして、彼は二、三日のショック状態を経て、これをきっかけに気を
取り直して研究に没頭しはじめたそうな。

課題は「究極の相場必勝法」。

しかし、再び彼は、同じように「値頃感」に頼る日を迎えるのであった。



相場では、よくありがちな話です・・・。




私も商品先物取引を始めてたった2年、まだまだ勉強の途中で
ありますが、相場を張ってて痛感することは、いかに自分自身が
弱くて、自分の信念というものがもろいものなのかということです。
まだまだ、発展途上の身であるにもかかわらず、このマガジンは、
すべて私の個人的価値観によってつくられています。

したがって、あなたがこれを読んで、「いや、これはちょっと違うな。」
「ふーん、そうか、そういう考えもあるのか。」
と思ってもらえればそれで結構です。

わたしは、常に提案し、自分で検証をただ続けるだけです。
この自分の頭に渦巻いている妄想を・・・フッヒッヒ〜。(^○^)

それが正しいかどうかではなく、自分で考えてみること、そして
それを実行してみること、それが大切ですから。


問題は、何が正しくて何が正しくないのかではなくて、
何が自分のスタイルに合っているのかということ。

なぜなら、結局は、自分の命の次に大切なお金のことだから。

お金だけが人生じゃないが、お金がなければいい人生も送れない。


なぜ、自分のスタイルに合っているのが大切なのか・・・。

相場では「無理をする」というのが一番いけないような気がする。

一つ目の難関を乗り越えても、さらに事態が悪化した場合、二つ目の
難関を乗り越えられないと、結果的に事後処理が大変負担になってくる。

「無理をしない」ということは、結局は「自然体で(相場に)取り組む」
「自分自身で納得しない限り建玉しない」ということになると思う。

転ぶ時は、次の瞬間にはすぐ立ち上がれるように、転びましょう。
(「途転」を積極的にしましょう、という意味だけではない。 (-_-;))


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「トレーダーが一度だけミスをおかすということは滅多にない。
一度間違えれば、通常、もう一度ミスをする。痛いのは二度目だ。」

「相場のこころ」 54ページ 
ロイ・W・ロングストリート 著
林 康史 訳
東洋経済新報社 

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 株式会社時事通信社は、NTTDoCoMoの漢字表示式
ポケットベル「インフォネクストA55」を利用した
「時事ポケットJ−COM」サービスの一般販売を9月1日から開始したらしい。

 配信する情報の内容は、

・東京工業品取引所で上場されている貴金属(金など4品)やアルミニウム(1日6回)

・東京穀物商品取引所で上場されているトウモロコシやコーヒーなどの
  商品先物の相場情報(立会節(取引)が終了した段階で各節毎に配信)

・指標となる海外市場の相場情報もサービス時間の早朝から配信

・為替相場(ドル/円直物)、日経平均株価、ロイター商品指数、CRB先物指数

・各商品の市況のヘッドラインや商品先物に関する情報を随時配信、
  商品先物取引に役立つ情報を網羅 


 サービス時間は日曜と月曜が祝日の場合を除き、
 平日の午前6時30分から午後7時ごろまで

 土曜・祝日は午前6時30分から正午ごろまで。

 平日で1日150本程度、土曜は1日30本程度配信。 

 サービスエリアは、首都圏ワイドエリア

また、情報を受信するためには、NTT DoCoMoのインフォネクストA55の
ポケットベルの契約が必要

そして、時事通信社との「情報受信契約」が必要で、
加入料は3,000円、情報料は月額3,300円。 


ポケベルを利用して商品先物情報を配信「時事ポケットJ−COM」

http://www.jiji.co.jp/pJ-COM.html



インフォシティ情報配信サービス  「ポケットJ-COM」

http://www.stm.nttdocomo.co.jp/goods/pocket/p_net2.htm#jcom


不比等:
残念ながらNTTの「タイムプラス」のサービスに続き、NTTドコモ
までも、今回の「時事ポケットJ−COM」のサービスは 首都圏
先行です。 したがって、首都圏以外に在住の方は、まだサービスを
受けることができません。あしからず。


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もう一度、検証したい・・・

なぜ、日本のバブルがこうもハードランディングしてしまったのか

当時の橋本蔵相の「総量規制」ともう一つ、

それは今でも続いている、世界の各地でも・・・。

恐るべき「米国の陰謀」



「アメリカの国益が世界全体の利益だ。」と公言してはばからない

アメリカのエゴの餌食にはならないぞ。



スーパー金融ネット 
http://www2s.biglobe.ne.jp/~sk-net1/index.html

の中の

金融マン会議室 御意見掲載
http://www2s.biglobe.ne.jp/~sk-net1/opinion/meeting/index.html

の

発言NO43 何でも自由に 平成10年6月5日投稿 
http://www2s.biglobe.ne.jp/~sk-net1/opinion/meeting/opinion-3.html


米国株式市場を暴落させないために、日本の個人金融資産1200
兆円が必要なのです。現在の米国市場がパンパンのバブル状態であ
ることは、米国の政府、金融機関、投資家、誰もが認識してるので
す。

いま米国にとって最大の国家的命題は、いかにバブルをはじか
ずに株を売り抜けるかです。いまから米国は利益確保のための売り
に出ます。売り一色では市場は暴落しますので、そこで買いを入れ
る資金が必要です。

その役割を果たすのが日本の個人金融資産1200兆円です。
そこに米国金融機関の日本への進出の目的がありま
す。それゆえ、今後日本で販売される金融商品のメインは米国株を
組み込んだファンドとなります。

これからの米国株式市場は米国の売りと日本の買いで当分の間
均衡状態を保ちます。日本からの買いが相当金額に達し、
米国が十分な利益を確保した後、ある日突然米国が大量の売りを
浴びせ市場が暴落します。あわてた日本は米国市場からの撤退に
かかりますが、時すでに遅く急激な円高も重なり大損失をこうむります。

かくして日本の個人金融資産の大部分が米国の金融資産へと
シフトしてしまうのです。冗談で言ってるわけじゃありませんよ、
ほんとにそうなります。

思い出して下さい、1990年日本の株価がバブルの頂点をきわめ
ていた時、突然大量の売りを浴びせかけ、日本市場が暴落する口火
を切ったのは、米国系証券会社だったじゃありませんか。


不比等:

最近の外国で運用している投資信託も決して安全なものではない!



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MSN News & Journal

http://news.jp.msn.com/

の中の

日本よりアメリカの方が間違っている! 

1998年4月15日 神保隆見 (アジア国際通信)

http://news.jp.msn.com/worldreport.asp?id=980415tokyo

から一部抜粋


●これが本場のギャンブルだ! 

 それは、「日経平均が下落した場合、あらかじめ決められた
行使価格との差額を米国の銀行へ支払うことを義務づける」という内容の、
「プット・オプション」と呼ばれる商品であった。 

 「株価が下落しなけば何の値打ちもない」ところがミソで、
「株価が下落すること」など頭の真ん中をはじめ、片隅にも存在しない
日本の生保会社(もちろん彼の確信には、長い間にわたる大蔵省との
「信頼関係」という裏付けがあった)は、米国を筆頭とする海外の
投資銀行からカネを受け取り、「日経平均プット・オプション」を易々と
売り渡した。 

 一方ニューヨークでは、金融リスクから儲けを生み出す新しい
国際市場をつくりあげていた。『アメリカン証券取引所』(AMEX)
であった。 

 数百億ドルにのぼる「日経平均プット・オプション」を日本の
生保会社から買い入れていた大手投資銀行のゴールドマン・サックス、
ソロモン・ブラザーズ、ペインウェバーの3社は(一部を内部留保)、
AMEXと協力してこれを基にした「日経平均プット・ワラント」という
新商品に仕立て上げた。 

 ところが、なぜか発行体が「デンマーク王国」となっていた。
それはともかくも、この商品の取引は1990年1月12日に始まった。 

 この新商品の最大のセールスポイントは、「東京の失敗に賭けるか
どうか」であった。こういった「逆張り」をことのほか好むのが
アメリカ人ギャンブラーだ!。 

 しかもこの商品は少額の資金で購入が可能であるように加工されて
いたことから、たちまちに人気商品となり、当然のこととして彼らは皆
「東京の失敗」を心待ちにした。 

 当の日本の生保会社はおろか、日本最大の国家権力(大蔵省)も
よもやこんな形になることなど思いも及ばなかったであろう。 

 ましてそれが、取り返しのつかないとてつもない金額を
支払わなければならない事態を招くことになるなどとは…。
今となってはどう悔やんでも、もはや手の施しようがなかった。 

 不思議なことに、この賭場が開帳されてから数週間後、
東京市場は下落を開始したのであった。 


不比等:

1990年、奇しくも、この年からデリバティブの時代となり、

少なくとも1980年代とは金融(短資)の世界では、
様相が様変わりしてしまった。 

必然的に訪れた冷戦体制崩壊の後、マネーが核ミサイルに取って代わり、
国家を攻撃し始めた・・・・・。


原子爆弾に続き、そのデリバティブ・マネー爆弾を世界最初に受けたのが、
我が国日本とは、なんという皮肉だろうか、しかも再びアメリカから・・・。

そして、広島、長崎の人々が原子爆弾投下後も、長期間、放射能による被害に
苦しんだように、デリバティブ・マネー爆弾はその後の日本経済に多大なる
被害を与えている。もちろん、現在でも・・・・。

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なぜ、今回(LTCM)のヘッジファンドの危機が起こったのか。

それは、システム売買の落とし穴・・・。いや、コンピュータシステム

でなくても我々のニューロでファジーな頭脳でも失敗する、それは、

「既存のシステムでは処理しきれない程の状況の急変の際には

(特にパニック時)、既存のルールはまったく無力になり得ること。」

それを引き起こすのも、解決するのも時間だけだ。

それを待てずに破産してしまえば、それで一巻の終わり。

2年連続、 40%台の利益を出しつづけたLTCMも、3年目には

今までの利益どころか、客から預かった投資用資金もすべて吹き飛ばした。

これがシステム売買の怖さ・・・。

何年連続して高率の利益を生み出そうが、たった1年間やそこらですべてを

吹き飛ばしてしまう可能性があること。

うまくその時を乗り越えればいいが、耐え切れなくなると

待っているものは・・・・破産のみ。



神々の崩壊(1):世界を揺るがすヘッジファンド危機


1998年10月13日  田中 宇 氏

http://news.jp.msn.com/worldreport.asp?id=981013LTCM

より一部抜粋


 すべての債券は、格付け機関によって格付けされ、それによって金利が
違ってくる。たとえば、5年ものの米国債は、「BB3」と格付けされた5年もの
ジャンク債より、2%ポイントだけ利回りが低いのが普通だ。どちらかの債券の
需給が一時的に変化すると、この利回り格差が広がったり、縮んだりする
ものの、数時間から数日のうちに、市場原理が働いて、元に戻っていく。 

 LTCMは、この米国債とジャンク債の利回り格差が広がったら、ジャンク債を
買い、米国債を空売りしておく。やがて利回り格差が縮み、ジャンク債は
金利が下がる半面、国債の金利が上昇する。債券は、金利が低いほど、
多くの人々がその債券をほしがっている(金利が低くても買い手がいる)、
つまり価値が高い。 

 利回り格差が縮むと、LTCMが買ったジャンク債は値上がりし、売った
米国債は値下がりしたことになり、両面で儲けを出すことができる。 

  
 とはいえ、1回ごとの利回り格差の拡大や縮小はわずかなもので、
いわば水面に立つさざなみだ。それを利益に変えるのは、さざなみを
使って波力発電をするようなもの。膨大な量をこなさないと、十分な
利益が出ない。つまり、自動化が必要だ。 

 そのため、LTCMは、複雑なコンピュータープログラムを組み、無数の
債券どうしの利回り格差の変化を自動的に判断できるようにした。そして、
そのプログラムを組んだのは、スタンフォード大学教授だった
マイロン・ショールズ氏と、ハーバード大学教授だったロバート・マートン氏
という、2人のノーベル賞受賞者だった。 


不比等:

これによると、結局サヤ取りだったわけですね。 さや取りとかは
だいたい商品先物相場の初心者の方でもかなりポピュラーなはず。

だいたい片張りで負けが込んできて、それならもっと安全な方法を、
というわけで、「さや取り」を始めるのが普通ですが、いかんせん
儲からない。ほとんどの利益が手数料で消えてしまうし、
実際には「さや取り」はそれほど安全なものではない。

さやの縮小を狙っていても、それがどんどん拡大して、縮小しだしても
利益を得るところまでいかず、ついに納会を迎えてしまうということも
有り得ます。


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神々の崩壊 (2):欧米銀行に広がる「突然死」の不安


1998年10月16日  田中 宇 氏

http://news.jp.msn.com/worldreport.asp?id=981016banks

つい先日まで、先進国の金融機関のなかで最も危ないのは、
日本だと思っていた。だが、そんな状況は、最近のわずか2-3週間ほど
で大きく変わった。今や、ヨーロッパやアメリカの金融機関も、日本に
劣らない深刻な経営危機に陥ろうとしている。その遠因は、昨年からの
IMFとアメリカ政府の失策にある。

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神々の崩壊(3):IMFは世界を救えるか


1998年10月20日  田中 宇 氏

http://news.jp.msn.com/worldreport.asp?id=981020IMF

東南アジア諸国に通貨ペグ制度をとるよう指導したのは、IMFと
アメリカであった。IMFは危機発生後の対処方法も間違ってしまったため、
今ではIMFのあり方を見直そうという動きが進んでいる。とはいえ、
IMFはもともと経済の面から見て、純粋に理の通った存在ではなかった。
冷戦時代を通じて、経済より政治情勢に基づいて動いていたからだ。


しかし、MSN News & Journal

http://news.jp.msn.com/

は、国際政治、経済、金融に関する話題の宝庫です。 絶賛!!


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それでは、日本の商品先物取引会社によるシステム売買(プログラム
売買)をいくつか挙げてみましょう。



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日本アクロス  プログラム売買

http://www.across-j.co.jp/MMS/noflash/Smms-n.html


不比等:
ここでも、大豆とコーンをポートフォリオに組み込んでいるが、
大豆とコーンって、ほとんど同じ動きをしているんですよね。
(先限つなぎ足チャートにて)
ですから、どうしても期近でなければいけない場合以外では、
どちらかに絞った方がいいとも思います。
個人的にはコーンの方が好きです。

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国際トレーディング  

http://www1.mesh.ne.jp/itc/itc_p/main_p.htm

ITC−P1

中期的なトレンドを判断要素として、RSI・ストキャスティクス・
移動平均線乖離率 ・ROC・MACなどを組み合わせて
売買シグナルを決定。リスク管理のための資金配分比率。
順張り、逆張りの混合システム。 

ITC−P2

トレンドが持続する性質を前提に、低リスク高リターンの
売買ポイントでの売買を可能 にした順張りシステム。
多くのテクニカル指数、新開発チャートパターン認識を塔載。 


不比等:

ITC−P2の「新開発チャートパターン認識」というのが興味を
そそられます。

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ユタカフューチャーズ(株)商品ファンド運用成績表

http://www.jade.dti.ne.jp/~yfc-ltd/arbi.html


ユタカフューチャーズの裁定取引


我々がプログラム運用している方法は裁定取引と呼ばれる手法の範疇に
属しています。基本的には同商品の市場間取引、同商品の時間差取引、
相関性 の高い異商品間取引が中心になっており、割高・割安を買うという
相反ポジションを同時にとるものであります。

現在、投資顧問業をはじめ、資金運用の担当者はパフォーマンスの向上を
目指し熾烈な競争を繰り広げています。世界各国でも運用手法の開発は様々
執り行われていますが、 その殆どが「トレンドフォロ−」型の手法であると
思われます。流れについていく手法は波に乗っている時は大きな利益を
もたらしますが、トレンドの転換点では殆どが振り落とされてしまい、 
淘汰の波に飲まれてしまっています。

我々が選んだ道とはこうした手法とは一線を画し、厳しいマーケットの世界で
生き残ることに重点を置いているといってもよいでしょう。この事はつまり
堅調な運用成績を運用委託者に提供し続けることも意味しています。

裁定取引の原形は「鞘取り」と呼ばれ古くから存在していますが、
少ないながらもより確実に利益を獲得し続ける手法は、現在でも充分
通用するどころか、むしろ一番望まれる結果を齎してくれるものと
判断しています。


不比等:
さや取りは、さやの拡大、縮小の幅が元にもどる性質を利用しようと
いう方法ですが、「何が起こっても不思議ではない」相場の世界では
「元に戻る」という前提が崩れることが起こりうる。

あのLTCMも、さや取りで失敗したのだった・・・。

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夢相場  売買プログラム

http://www.hi-ho.ne.jp/okayasushoji/baibai.htm


不比等:
「売買プログラム」をマイクロソフトのエクセルで作ろうという、
初心者向けながら、楽しく読めるページです。

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岡安商事 プログラム売買  〜 オカヤス・システム 〜

http://www.okayasu.co.jp/program/top.htm

スペキュレーションにおいて最大のリスクである心理的リスクを取り除き、
統計学的・数学的な数量分析を用いて数多くのシミュレーションを行い、
様々なチェック項目をクリアーし、ピックアップされた売買指示システムに
よる確率論的成功法を目指します。


不比等:
安心して任せることができるシステムなら、心理的リスクも軽減される
のですが、オカヤス・システム の場合には!?

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太知商事  売買支援システム「OPT」

http://www.taichi-jp.com/opt/opt1.htm


不比等:
これは上記のものとは違って売買を支援するためだけのプログラム
みたいです。 使ってみると結構面白いかも・・・。

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しかし、商品先物取引に参加されている皆さんは、最近の商品ファンドや
投資信託を、どう思われますか?

確かに、20%〜60%の利益がでるものもあるというのは、
(銀行の預金への金利と比べると)すごいことだが、株券や、国債を
買っている人ならいざ知らず、我々はなぜ「商品先物取引」を
ハイリスクを承知で参加しているのかを考えれば、それほど魅力的では
ない。

我々は、自分達が商品先物取引会社の口座に預けたお金の2〜3倍の
利益を得るために始めたのではなかったか・・・。

例えば、200万円から始めて、2倍の400万円、あわよくば、さらに
2倍の800万円というように・・・。

2〜3倍と言うのは簡単だが、それを実現するには100%〜200%の
利益を稼がなければならない。


ヘッジファンドでも儲けることが難しい100%以上の利益を、我々が
一体どうやって儲けることができるというのか・・・。

唯一の救いは、ヘッジファンドは、毎年利益を稼ぎ出さなければ
いけないが(運用成績が悪いと評価が下がるので)、我々はそんなに
急いで結果を出さなくていいということ。

毎年20%〜30%でもいいから利益がでるようにして、利益が
でたら、それを確保するようにして、いったん休み、とにかく
焦らず急がないようにする、というのもひとつの方法かと思います。


毎年20%ずつ利益がでれば、紆余曲折を経て4年間で約2倍に
なります。毎年30%ずつなら、3年以内に2倍になります。

我々、個人投資家は、一人一人が自分のファンド(投資用資金)の
管理者、つまりファンドマネージャーです。

ヘッジファンドに負けないように、自分のファンド(資金)を育てましょう。 

わたしも、どこかのヘッジファンドのようには大負けはしないつもりです。

 なぜなら「損」はあらかじめ覚悟して、逆指値注文(貴金属の場合は
IRO注文)を出しておけば、ある程度はコントロールできるからです。


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次号も、

個人投資家による、個人投資家の、個人投資家のための
「メールマガジン」をめざします。


不比等


<著者略歴>

兵庫県出身。
現在、神戸市中央区在住、現在30歳、相場を始めて3年目になるが、
すでに天国と地獄を経験している。
阪神大震災では九死に一生を得、瓦礫の山と化した街中で「諸行無常」を実感。
一時、オリオン交易(株)本社で登録外務員として勤務。

現在は退社し、残りの人生を「商品先物取引」の未来に賭ける。
アメリカの ユタ州 WEBER STATE UNIVERSITY 卒業。
COMPUTER INFORMATION SYSTEMS 専攻。 


HP

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