□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

             不比等独賭虚無・臨界投機 

        <狼は生きろ・・・、豚は死ね・・・>

                  2001年08月21日号 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


不比等です。 どうも、ご無沙汰致しております。

創刊号は順調に発行できたのですが、それからが私事で手一杯になり、
メールマガジンの方までなかなか手が回らなくなっていました。

『臨界投機』創刊号(6月17日発行済み)を発行した時はカナダに
居たのですが、7月1日に日本に帰国して参りました。

日本に帰国してからの1月間は、住居探し、職探し、
インターネット常時接続回線探しと、大変な日々でした。

なんとか8月に入って万事落ち着いてきたので、再び発行を再開します。

でもなんだか日本に帰ってきた途端に急にパワーダウンした感じなんですよね。

ただ単に日本には合法的なカジノがなくて、思い存分ギャンブルできないからと
いうだけでしょうか・・・。

この国にはなぜか人々の生気を吸い取り、活気、熱気を失わせる、なにか退廃的な、
いや堕落的な、刹那的な、雰囲気が充ち満ちていると感じるのは私だけでしょうか。


まあ、逆にそれが冷めた目で、マーケットの動きを眺めることができるといった
都合の良い部分も、あるかもしれませんね。

さあ、それでは第2号の始まりです。

今回の旅行中に学んだ事柄のいくつかを自分なりに整理していきたいと
思います。 といっても、ごくごく当たり前のことだらけですが・・・。





*******************************
     絶対に勝ち組になれない破滅的ギャンブラー

      〜ギャンブル依存症から脱却せよ〜
*******************************


例えば、競馬やパチンコに行く前に予算を決めます。
今日の資金は2万円だ、万一、2万円使い果たした場合は、
わき目も振らずまっすぐ家に帰るぞ・・・。

しかし、最初の5千円がすぐに無くなってしまい、こう思う。
「ちぇっ、今日はついていないかもな。」

次にもう5千円、つまり計1万円もなくなってしまい、
「くそっ!もうちょっとだったのに惜しいな。何であと少しで
外れるなんだよぅ〜。」

このあと幾らかは取り戻しましたが、全額取り戻そうとして続けている
内にずるずると負けてしまい、最初の2万円は無くなりました。

それでも熱くなってしまっって歯止めが利かず、さらに1万円、そしてまた
1万円と・・・。


もちろん、一発逆転で一気にプラスサイドに持っていくということが
起きないとはいえませんが、長い目で見れば、それは一時の
僥倖(ぎょうこう)に過ぎず、これは典型的な負け組の
破滅型ギャンブラーです。

では、どうすればよいのか?

賛否両論あるでしょうが、私は最初の5千円を失った時点、
いや1千円でもいい、早ければ早いほどいい、
「ちぇっ、今日はついていないかもな。」と自分の運勢を疑った時点で
帰宅するべきだと考えます。

「なにを言うんだ! 電車代払って、片道30分もかけて来てるんだぞ、
手ぶらで家に帰れるか、俺はな、ここに稼ぎに来たんだよ。
儲けに来たの!」と言う方もおられるかと思います。

それでも私は繰り返して言います。
「運がよければ、賭場に入った直後にも儲かるときがある。
そういうときこそ、(儲けた利益を全部失ってしまわないよう
注意しながら)しっかり儲ければよい。

賭場に入った直後から負け始めたら、もうその時点でその日の儲けは
あきらめたほうがいい。
早ければ早いほどいい。「今日はついていない」と感じた時点で引き上げる。

予算の30%〜40%負けたら真剣に帰宅の準備を整えよ。

半分の50%〜60%失えば絶対に今日のところは引き上げろ。

予算の100%以上失ってしまう奴はもうダメだ。たまに一発逆転で
取り戻すこともあるが、長期的に見れば負け組になるのがオチだろう。


どこの賭場でもそうですが、そこに長く居れば居るほど、資金を減らす
確率は高くなります。

ちょっとこのままでは難しいかもしれない、
このままではダメだな、

と思ったら即切り上げてやめてしまうこと。

それは「虫の知らせ」で、恐らく真実だろうし、
そういう精神状態が続く限り、事態はマイナスに傾いても
プラスに働くことはない。

よく言われることですが、職業的ギャンブラー(以下、『プロ』と略します)は、
自分の引け際を必ず守ります。

彼らは知っている。「始め良ければ終わりマシ、終わりマシなら全てマル」


相場でもそうです。「迷ったら、曲がる、曲がったら惑う。惑うのなら負ける。」

相場の世界では、よく「損小利大」という言葉が使われます。

毎回のトレードの損失をできるだけ小さく、利益はできるだけ大きく
するようにすれば勝率が低くても長期的に利益を確保できる、
ということでしょうが、確かに損切りポイントの設定は難しい。

でも上のことを応用した私なりの答えは、

「建玉をするとき躊躇したり、売るか買うかを迷ったりしたら、そのトレードは
あきらめてなにもせず見送る。

建玉した後、その銘柄が上がって欲しい、または下がって
欲しいと願望が生まれれば、そのトレードの損切りの準備をする。

売買手数料が比較的安いのであれば、損切りポイントは、普通の人が
思っているより細かくした方がいい。

例えば、私は長い間各商品の損切りポイントを制限値幅を目安に考えてきた。
東京とうもろこしの場合は 400円だから、だいたい300〜600円当たりを
目安に。 しかし今の私から見ればこの幅は大きすぎる。
場合によっては80〜100円でもいい。

とにかく始めが良くないといけない。建てたその日がマイナスで終わりそうなら、
その日の最終節で損切ってもよい。
ひょっとすれば明日はさらに損するのかもしれないのだから。」


つまり、パチンコで例えればこういうことです。

まあ、私でも運や店や台に恵まれれば1日2万円ぐらいは儲けること
ができると仮定する。

(実際は、私は18歳のとき近所のパチンコ店で1千円を
あっという間にスッてしまって以来15年間、再びパチンコをしたことは
一度もありません。ラスベガスなどでもスロットマシーンは滅多にしません。)

そこで、毎日2千円持ってパチンコ店へ出かける。
もちろん、ツいていないときはあっという間にそれを失いますが、
我慢して寄り道もせず帰宅します。

これを10日ぐらい続ければそのうち1日ぐらい大当たりして2万円儲かる日も
あるかもしれない。 

この勝率10%でも儲けるために、日々の損失を泣き泣き2千円に抑えて
いるのだ。


※ では、最後に私が言いたかったポイントとは・・・

・損切りの幅は、実は僕らが普通に考えるよりずっと小さいほうがいい。

・損失を小さく抑えれば抑えるほど、利益が少なくても、全体としては
 儲かることにつながる。
 しかし、これは確かに実行するのが難しい、

・だから大抵の人は逆のことを実行しようとする。
 つまり、損失を小さく抑える代わりに、利益の方を大きくしようと。
 だが、本当はこちらの方が大変難しいのだ。
 そして大抵のひとは「損大利小」で終わる・・・。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Life is one big game!  人生、是一大遊戯也  
ギャンブルとトレードの親密な関係
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


確率の錯覚

相場では確率的に低いと思われていることが実際の
場面ではそんなに低いものではないこともある。

たとえばマージャンの振込み。
国士無双の十三面待ちなどは例外として
たいていの待ちは両面、シャンポンだ。
34種類の牌のなかのほんの2種類ほどしか当たり牌はないのに
それを振り込んでしまい、ロンされることはよくあるのは何故?

ポーカーでもストレートがフラッシュに
フラッシュがフルハウスに負けることが以外に多い。

もし自分が(ストレートの手役ができるほど)ラッキーならば、
同じテーブルに座っている別の誰かも(フラッシュの手役ができるほど)
ラッキーであると用心して間違いはない。

マージャンに置き換えればストレートはハネ満、フラッシュなら倍満と
いったところか。

また、ルーレットでも意外に赤、または黒が連続して3回〜4回出るのは
それほど珍しくはない。

確率では低いはずなのに、2〜3時間の間でも結構見かけるのである。
いつもいつも、それは何故だろうとは考え続けていた。



それが、ある時本屋で確率の本を読んでいて、ハッと気がついた。

その本には、次のような例題が載っていた。


「1クラス50人中、誕生日が同じ人がいる場合の確率を求めなさい。」
(ただし、平年でうるう年ではないとして計算せよ)


普通なら、直感で 1年=365日(平年)。

50人いるから、最大50通りの誕生日の可能性があるわけで、

まあどう考えても確率は 50/365、 13.698%以下なのは間違いない。

と、まあ暗算しながらでも、だいたいの直感として、
1クラス50人いても、誕生日が同じ人が現れるのは 1/7の確率。
だからそれは「滅多に無い」ことと感じる人も多いのではなかろうか。

しかし上記の計算は間違っている。
正確な計算方法では次のようになるらしい。


まず、1クラス50人が誰とも誕生日が同じでない確率は、

365×(365-1)×(365-2)・・・・(365-47)×(365-48)×(365-49)
--------------------------------------------------
                          (365)の50乗

=約0.03

ということは、1クラス50人中、1人でも他の誰かと誕生日が同じである確率は

1-0.03=0.97    つまり 97%

つまり、1クラス50人中、誕生日が同じ人が現れる確率は 97% もある。

どうです。

僕らが多分滅多に起こらないだろうと思っている事柄が、
実は実際に起こっても確率論上それほど珍しくない、
といった典型であるような気がする。


これは、10年以上連絡が途絶えた旧友と路上でバッタリ出会う確率、
楽観論が渦巻く好況の株式市場で突然株価暴落が起こりうる確率、
などなどいろいろ応用がきくように思われる。


数学の部屋 『確率 シリーズ』
http://web2.incl.ne.jp/yaoki/kakuritu.htm





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Know When To Leave the Casino.  Quit While You Are Ahead.

(いつカジノから去ればいいのかを知れ。
儲かっている間にやめるべきなのはいうまでもない。)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

(前号からの続き)

ローカルズ ( locals ) と呼ばれる彼らの多くは、すでに隠居(現役引退)して
いる老人が多く、毎日カジノにポーカーしにやってくる人も結構いる。

軍資金も政府から支給される年金や自分の貯金などが主で、そのためか、
全体的にタイト(堅実、ケチ)なプレーヤーが多い。

最初の手が悪いと30分でも1時間でも降り続けてばかりで、
そうかと思うと、ここぞという手のときはそれなりにレイズする。
しかし、あまり無茶なことはしない。

いわば、かなり読みやすい人達なのだ。
ブラフ( Bluff こけおどし、はったり) することはまずないので、
この人たちがレイズしたときは、良い手を持っているのだと
思って自分は黙って降りればそれでいい。

今でこそ、こんなことがいえるが、9年前の初めてラスベガスで
ポーカーをプレイした時は散々だった。惨めだった。

確かに初めてポーカーをした場所はこのラスベガスでは
ない。

その頃、ユタ州の州都ソルト・レイク・シティに
留学のために住んでいた私は、
West Wendover というユタ州とネバダ州の
ちょうど州境にある町へ月に2回ぐらい週末に
出かけていた。

カジノが5つほどしかない、本当に砂漠の真中にある
小さな町で、そこでその3ヶ月ほど前にポーカーを
覚えたばかりだった。 しかし、そこではなぜかそれほど
負けたことはなかっただが・・・。

話はラスベガスに戻るが、1人の老ローカル・プレーヤーが、
僕のことをずっと馬鹿にした風に笑っていた。

そのことに腹が立ってはいるのだが、ポーカーでコテンパンに
されてしまい、どうすることもできなかった。

よく聞けばその人は、カジノの常連でプロのポーカープレーヤー
として有名だという。
周りのローカルズ達も一目置くぐらいの・・・。

間もなく、その人が僕のポーカーの
プレイの仕方が下手だ、といって大声で怒鳴った。

その時は僕の番が一番最後だったのだが、前のプレーヤー達が
次々チェックしていって、最後に自分の番が来た。
まだポーカーも始めて間もないこともあり、ワンペアの手がすでに
出来ていたが僕も同じくチェックした。

Why don't you bet? Don't just check !
(なんでベットしないんだ。チェックなんかするな。)

恐らく彼は僕がワンペアを持っているのを知っていたのだろう。
儲かるときには、きちんと賭けて儲けるしかない。

You get only what you pay for.
<自分が払ったリスク(代償)の分しか自分の元には報酬として
返ってこないものなんだ。>

次のラウンドでも、またもや皆チェックしたので、僕は勇気を
振り絞りベット。皆降りてしまい、僕の勝ちとなった。

これではいけない。僕の手の内は全て読まれている。
さっそくその後、ラスベガスのダウンタウン近くの
有名なギャンブル専門書店

『Gambler's Book Shop』
630 SOUTH 11th STREET / LAS VEGAS, NEVADA 89101
Store Hours: Mon-Sat 9am-5pm. Closed Sunday.
TOLL FREE ORDER LINES: 1-800-522-1777 & 1-800-634-6243
Phone: 702-382-7555 / FAX: 1-702-382-7594
For the FREE Catalog: CALL 1-800-522-1777

http://www.gamblersbook.com/


に行ってポーカー関係の本を何冊か買って、むさぼる様に
読んだ。

そして何日かして、再びその老ローカル・プレーヤーと
テーブルを囲んだ。

恐らく少しは上達したのだろう。しきりに、

What? Did you read a book?
<なんだ、(ポーカーの)本でも読んだのか?>

を繰り返していたので

Yeah. I read a book.. I am not what I was before.
(ああ、読んだよ、今までの俺様とは訳が違うんだよ。)

というと、

Wow ! He read a book. I 've got to go now.
<うへー、本を読んだってさ、(ヤバイせ) 引き上げよう。>

もう、あれは9年前なのか、今でも鮮明に思い出せる。

それから5年後、つまり今から4年前にラスベガスに
行ったときもそのカジノでその人と再びポーカーをした。

そのときは、もう笑われることがなかった。
実力はほぼ対等になったのではないか、と
僕は自惚れていたのだが、昔話をするうちに
彼がいつも持っている手帳を見せてもらった。


(もちろん彼は僕のことは覚えていなかったが、
例の「本を読んだ、読まない」の話をしたら、
「ああ、そういうこともあったかもしれないな。」と笑っていた。)


その手帳には毎日の損益が記録されていて、
実際に見せてもらうと毎月何千ドルも常に儲けているようだ。

実力は互角だ、などと自惚(うぬぼ)れていた自分のことが
恥ずかしくなった。

それから再び時は流れた。

実は、今年の3月にもその人といつもと同じカジノの中で
出会ったのだが、ひどく衰弱して車椅子に乗っていた。

まあ70歳後半ぐらいだろうから無理もないが、それでもポーカーを
プレイし続ける執念は凄まじい。
彼にとってポーカーとは生活の収入を得る手段に過ぎないのか。
いや、そうではない。ポーカーの醍醐味を知った者ならわかる。
このゲームは魔物だ。

恐らく僕のことも忘れているだろう。今回は自分から話し掛けなかった。

あの状態では恐らく先が長くないのかもしれない。

さようなら、 プロフェッショナル・ポーカー・プレーヤー。

僕は知っている。

彼は生き続けている限り、あのカジノへ毎日通い、毎日ポーカーを
プレイし続ける。杖をついても車椅子に乗っても、
毎日毎日、何年も何年も・・・。

今までもそうしてきたし、これからもそうする。


それほど、ポーカーとは魅力的なゲームなのだ。

                          <次号に続く>

日本ポーカープレーヤーズ協会(JPPA)
http://www.japan-poker.net/index.htm


「ポーカー用語」集
http://www.japan-poker.net/game/dictionary.htm


カジノ徹底解説「ポーカー」
http://www.lvtaizen.com/casino/poker/index.html

ポーカー手役の説明
http://www.pandora-rc.co.jp/pandora/game_poker.htm




次号の発行日は未定です。
下記のHP上でお知らせいたします。

『商品先物諸行無常』
不比等
http://fuhito.com/


この文章に対する感想等は大歓迎です。
下記のアドレス当てにお願いします。
fuhito@anet.ne.jp




◆メールマガジンの退会・解除はこちら↓ by melma!◆
            http://www.melma.com/taikai/



不比等 (C)2001